現代日本と宗教

日本人の信仰

文部科学省文化庁 宗教統計調査

文部科学省では昭和24年から毎年12月31日に宗教統計調査を行っており、平成29年の年末には、全国社寺教会等宗教団体・教師・信者数として、総信者数1億8,116万4,731人という数字を公表しています。日本においては神道・仏教・キリスト教の信者数が約95%を占めており、約5%がその他の宗教団体に属しています。ところで、あれ?と思った方も多いのではないでしょうか。そう、日本の総人口は1億2633万人(平成31年2月1日現在)、宗教団体の総信者数は、全人口の約1.5倍の数字が出ているのです。
総務省統計局 人口推計

もちろん総人口には乳幼児も含まれるので、20歳以上の自立した生活を営んでいると思われる人々の多くが複数の宗教団体に名を連ねていると捉えることができます。また、日本の宗教団体に登録されている総信者数という数字は年々減少傾向にあります。

日本人は無宗教であるとよく言われますが、生活の中には多くの宗教が入り込んでいます。年明けには初詣に行き、欧米由来のバレンタインやホワイトデーを踏襲し、ひなまつりや七夕の習慣は我国の伝承を律儀に実行し、クリスマスにはイエスキリストの生誕を祝い、年末には除夜の鐘を聞く。結婚式は教会で挙げてお色直しに打ち掛けを羽織るカップルがいれば、お葬式のスタンダードは仏葬が多数派。日本人は宗教を信じていないのではなく、単に在るものとして認識し尊重し、重く捉えていないのだと思われます。どこで聞いたのか忘れましたが、宗教は親や親友というほど近くはなく、かといって完全に赤の他人でもなく、会えば挨拶くらいはする町内会長くらいの存在程度に捉えている人が多い、という話に妙に納得しました。

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